トミエ・オオタケさんは今年97歳になる現代ブラジル美術界を代表するアーティストです。
表現分野も絵画、鉄などの金属によるオブジェ、リトグラフィー、版画など広範囲にわたっています。
この美術館小規模ながら、現代美術の普及活動には目を見張るものがあります。
今月は「フィンランド・デザイン展」 が開かれています。家具・食器・衣装等など、その基調にはシンプルライフ +シンプル・デザインスピリットがいっぱい。洋服や布地のコーナーが素敵でした。
http://www.institutotomieohtake.org.br/
ユニークな美術館は著名な建築家であるご子息Lui Ohtake氏の設計。
トミエ・オオタケさんは貿易商のお兄さんに会うためにブラジルに来伯。第二次世界大戦が始まったため、帰国できず、当地で生活を始める。
40代になってから、絵筆をもち、抽象画で成功します。
ブラジルで最初に感じた強い太陽エネルギーから、黄色が焼き付けられ、今でも 黄色や原色を好んで使っているとか。
興味あるインタヴュー記事をみつけました。http://www.jornalmemai.com.br/
浮世絵の影響を受けましたかの質問に「浮世絵は江戸偉大の庶民の生活・美人が・風景画を題材にしており、私のはアブストラクトですが、ある一瞬をとらえて美術化したことは同じこと」、
ヨーコ・オノ氏からジョン・レノン表敬の彫刻を頼まれたこと。禅仏教の影響、公共の場所で展示される作品論などおもしろいです。
ちょうど10年ほど前に、ちょこっとお話しする機会がありました。
「毎日カンバスにむかっているか、なにか作っていますよ」とのお返事に、アーティストの情熱と普段の努力にすごいなあーーと思ったことがありました。
2012年までにもう一人の有名画家マナブ・マベ美術館が東洋人街に出現します。元学校の建物を利用したもの。楽しみです。
トミエ・オオタケ美術館
ラベル: カルチャー・スポット
えっ・・・!? ピンクの家に住むの!?
2014年ワールドカップ、2016年にリオ・オリンピックとすごいイベントをかかえているブラジル!
問題の一つが「ファベーラfavela」。貧民窟などという古い訳もありますが、普通の低所得層住宅集団です。サンパウロでは40%がその住人とか。それで立ち退きなどは問題外。
解決策の一つに、ブラジル的にカラフルな色に全体を塗るというもの。アジアモンスーン地帯の色彩感覚と熱帯のそれとは大違い。
とにかく灼熱の太陽の下、それに負けないくらいのどぎつい色が好きなんです。ショッキング・ピンク、ブルー、黄色、緑etc 遠目には美しい南国風景でしょう・・・
ところがところがです。まさか自分がピンクに塗られた家に住むとは、びっくり仰天! そのころ息子たちがまだ小さく、部屋を駈けずりまわるたびに、下に住むおばあさんから苦情!とうとう警察に訴えられる始末。
それで中心部から郊外にお引越し。政府の住宅政策で、20~30年払いの格安さ。物件に出会ったころは、まだ10軒くらいしか完成していなかったもの。2軒が一緒になった二階建て(soblado)で合計100軒の集合住宅。ピンクに当たらない確率にかけて。
こちらの人はクリスマス前に家をペンキで塗りなおしますが、我が家は経費の問題もですが、ただひたすら、雨風にまかせて、ピンクの色あせるのを待ちました。確か5年くらいたって、ベージュに塗り替え一安心!やっと家全体写真を日本の両親に送った思い出があります。今、1部にタイルを張った家となり、孫たちが飛び回っています。
ラベル: 普段着の生活