昨日、1月25日はサンパウロ市ができてから457年目の記念日でサンパウロ州は祝日でした。日中は28度~30度の暑い日が続いていますが、必ず降るスコールというより、土砂降り続きで、700人以上の被害者を出したリオ市にも負けないくらい洪水の被害も出ています。一日も速く復旧がなされますように。
大変おもしろい論文をみつけました。
現在、大阪市で不動産鑑定士として活躍中の秋山祐子氏(サンパウロ大学大学院工学研究科不動産研究所・研究員)の「サンパウロ市の不動産概説」です。サンパウロと東京の不動産市場を比較したものです。
http://www.nipo-brasil.org/tokuho/1005ya.html
表を写します。
サンパウロ市 東京都(島部除)
面積(km2) 1,509 1,782
人口 11,057,629 12,963,555 (2010年推定)
人口密度 1km2 7,328 7,275
総生産 19兆3435億円 92兆3004億円
1人当年間所得 約177万円 約454万円 (平成19年)
経済的なところは大分差がありますが、大きさや人口などはほぼ同じなのですね。サンパウロも大都会になったものです。40年前はのんびりしただだっ広い町でしたが。
秋山氏の論文によると2007年から分譲マンション数では東京を抜いていること。これは政府が「私の家、私の命」プログラムPrograma Minha Casa Minha Vidaで、中低所得者層のための住宅政策を打ち出しているため。
オフィス供給では圧倒的に東京が上。サンパウロはその2割弱にすぎないこと。ショッピング・センターはサンパウロが1991年には14しかなかったものが2009年には、50店に、まさに建設ラッシュ。これは経済成長に伴い、低所得層に購買力が付いてきたからだと思います。
著者はそのまとめとして、「内需拡大の牽引力である住宅市場の今後の発展に関しては、住宅を購入した中低所得者層が堅実に債務返済を遂行できる政策を、政府が今後持続させることが重要であろう。」と結んでいます。
本当に、月50レアル(20ドル)の返済ができず、せっかくのマイホームを手放す人たちもいます。我が家も最初の家は政府住宅プランの32年月賦でした。
日本の住宅耐久年数が他の国々と比較すると、40年と極端に短いのが驚きですね。英国の160円はともかく。
買った時点から、物件の価格は下がり始め、40年後には?! 我が家のアパートの価格は約20年前より6倍はしています。
大都会サンパウロも場所により、路上生活者が増えているようです。生活の土台であるホームを得るための政策の成功に期待します。
サンパウロ市と東京都の比較
投稿者
aozora
at
2011年1月26日水曜日
ラベル: カルチャー・スポット
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