ブラジル版チビクロサンボ 児童図書にみる人種問題





11月20日は「黒人意識デー」Dia conciencia de Negroでサンパウロ州は祝日となっています。

ブラジルはその発見(1500年)以降、アフリカからの黒人奴隷を何千万人も強制的に連れてきてコーヒー農園や鉱山で働かせた歴史を持っています。そのため、近年になり、大学の入学枠に黒人を何%か入れなくてはならないなど、優遇策をとっています。これは逆差別だとの声もありますが・・・。


さて、最近、ブラジル児童文学の有名な作家モンテイロ・ロバットの作品「ペドリーニョの獲物」(1933)が黒人差別を指摘され、全国小学校図書館援助の図書からはずすとの見解を国家教育委員会が発表しました。これに対し、賛否両論が出でいます。文部大臣は大反対。


ロバットについての論文で博士号をえたシルザ・ビGノット教授によれば、彼の物語にはタバコをすったり、ヒョウを殺したり、小鳥を捕まえたり、学校に行かない少年少女がたくさん現れる。これは現在の子どもたちにブラジルの姿を知らせるためには最良のものだと。そして、出版社が差別などに、いちいち説明を加えるなんて、誰が、どの場面に、どのようなものをつけるのかと、言論統制だと反対。


また、ジャーナリストのアウド・レベロ氏も聖書から始まって、ブラジルの近代文学者たちの女性差別などにいちいち注釈をつけるのかと反対。「文学裁判にかけられたロバット」という記事を有力紙に寄稿しています。

広い農園で孫の世話をする白人のおばあさんより、問題になっている黒人の料理人おばさん(昔の料理人はほとんど黒人でした)のほうが現実的で知恵のある人物と描かれています。唇が厚いとか、ネグラ(黒人)と呼ばれるとか、倒れかたがドスンとすごいとか、表現上の問題です。

ジャポネース(日本人)とかアレモン(ドイツ人)とかも実際に表現されています。

何十年前の児童図書チビクロサンボ騒動を思い出しました。
子どもたちは大人が考える以上に空想も現実も意識していますよ。
















































































0 コメント:

コメントを投稿

ようこそ

Blogには航海日誌という意味もあるとか。それならば人生の航海日誌を日々の何気ないできごとにたくして、人生の終盤を私流に生きていますということを、ちょっとかっこつけて、書いてみようと思い立ちました。サンパウロに住む利点を生かし、まったく個人の目からみたこちらのニュースも流します。もう一つ、自他共に許すあの福山さんの大ファンなので、彼の発言をだしに、一言申し上げる所存でもあります。反発され、石が飛んでくるかも知れませんね。

About this blog

自己紹介

学生運動の最盛期に卒業し、移住。血液 AB型 趣味 お琴・コーラス・読書

フォロワー